新幹線とわたし。

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こんばんは。
Chacoです。

今回は、新幹線VSわたしである。

諸君は、「新幹線の名前といえばなあに?」

と聞かれた際に、なんと答えるだろうか。

「のぞみ」だの、「ひかり」だの答えた人間とは、残念ながらわたしは今日から敵とみなす。

なぜなら、諸君は、「東海道新幹線こそ日本の新幹線だ!」と信じているからである。

ちがう。
ちがう!
ちがう!

新幹線と言えば、「やまびこ」であり、「はやて」であり、「こまち」であろう!!

車体には青ではなく、緑が描かれるのが正しい新幹線のあり方である!

「品川」なんていう、クールでスマートなビジネス街に停車している場合ではない。

「上野」という、雑多で、多国籍で、パンダ命な駅に停車してこそ、真の新幹線ってなもんだ。

「東海道」という名を背負うぐらいなら、東京駅を出発して、北上し、上野を経たのちに、Uターンして西に向かうぐらいの、当時の飛脚のような心意気でもって、走ってほしいものだ。

…まぁ、東海道五十三次には、上野は入っていないが、あの西郷どんに礼のひとつでも言ってから、西へ下るのが礼儀というものだろう。

ちなみに、西郷どんが隣に連れている愛犬「ツン」だが、同じく犬で銅像となった「渋谷のハチ公」ばっかりにみな群がるものだから、その名のとおり、ふてくされてツンとしているとかいないとか。

次期、待ち合わせスポットとして、「上野ツン公前に19時ね〜」なんて約束を交わす日はそう遠くないかもしれない。
上野ツン公の野望をあなどるなかれ。

そんな東北新幹線を心から愛する、東北新幹線ユーザーのわたしであるが、あろうことか、先日、にっくき東海道新幹線に乗車するはめになったのだ。

しかしながら、大好きな富士山が見えるということで、ちゃっかりと富士山が見える窓際の席をかなり早い段階で確保し、ウキウキとしていたことは、券売機とわたしだけの秘密である。

東海道新幹線で京都へ向かう当日。
わたしは敵陣に乗り込むということで緊張の面持ちで目が覚めた。

カッと目を見開き、天井を見つめる様は、まるでこれから奇襲作戦に臨む、戦国武将のような勇ましいものであったことだろう。

そして、身支度等を整えた武将わたしは、乗車駅の品川へ向かう。
鎧の代わりに、冷え対策としてカーディガンと、ストールを身にまとって準備万端だ。

実は、東海道新幹線は品川駅に停車することを忘れており、東北新幹線ユーザーで「新幹線と言えば東京駅!」な頭のわたしは、東京発の切符を購入してしまったのだが、前日に品川駅という都会に停まる驚愕の事実を思い出してしまったために、なんとなく悔しい思いで、家から近い品川駅へと足を向けたわけだ。「ちくしょう、便利じゃねえか」と。

そんなこんなで、とうとう品川駅に着いた。
出発まで30分しかないが間に合うのだろうか。

東北新幹線ならば、10分前に東京駅に着けば、ふふ〜ん♪と軽やかに改札を通り、迷うことなくホームへ向かうことができるのであるが、一筋縄ではいかない、あの東海道新幹線のことである。

ホームへ向かうまでのあらゆるところに、落とし穴や回転扉などのからくりが施されていて、まるで忍者屋敷のように、訪れるスパイを欺こうとしているのではと不安に陥る。
わたしも自慢の吹き矢を持参するべきだったか。

と言いつつ、品川駅の意外に構造はシンプルで、京浜東北線ホームより5分もかからずに、改札まで来てしまった。

改札も東北新幹線とは違い、なんだかスタイリッシュなのが腹立たしい。

改札を通る際に、いつもの改札とは変わらないはずなのに、相手が東海道ということで浮き足立ったか、うっかりと往路と復路どちらの切符も通してしまい「しまった!」と思ったが、意外なことに「ピーンポーン」と鳴ったり、出口が塞がれることはなかった。
普通に取り出し口から2枚出てきて、スマートに改札を通ることができたのである。

きっと、わたしのような普段東北新幹線を使用しているが、東海道に乗る羽目になり、若干の緊張を抱えたひとが同じ凡ミスをするのだろう。

それをいちいち「ちょっとあんたさん、帰りの切符も入れてまっせ。」と言わんばかりに、警告音を鳴らし、せき止めていたら、混雑が半端ないのであろう。もしくは田舎者への同情か。

「ピーンポーン」と鳴り、せき止められることなく、恥ずかしい思いをせずに済んだわたしは一瞬安堵したが、東海道のその余裕な態度がまた癪に触ったのだ。どこまでスマートなのだ、と。

「ちぇ」と思いながらも、少し落ち着きを取り戻したわたしは、電光掲示板と自分のチケットを照らし合わせる。

そうしたところ…

なんと!わたしの乗車予定の列車の表記がない!!

もしかしたら…わたしは東京発の切符を購入したが、東京を出発したのち、品川に止まらず、そのまま西へと一直線に行く列車なのかもしれない!!

そうだとしたら、今から東京駅に向かわなければならない!

間に合うかどうか、伸るか反るか、一か八かの大冒険である!!

わたしは、先ほど命拾いした改札まで駆け寄り、改札機のように余裕、かつスマートに談笑を楽しむ駅員に、問い詰めた。

「あ、あの、わたし、のぞみ203号に乗るんですけど、掲示板に表示がないのですが、も、もしかして、203号は品川停まりませんか!?わたし東京駅から買ってしまったのですが…。」

わたしの血相を変えた問いかけに、談笑を楽しんでいた駅員たちも大慌てとなり、

「そ、それは大変だ!今すぐ、東京への最短ルートを調べます!…いや、待てよ。203号を、この際、あなたのために品川に停車できるかどうか、かけあってみますね!なーに、素敵なお嬢さんが困っているのをぼけっと見ているほど、僕もふぬけではないですよ。ははっ。ちょっと待っていてくださいね!…ほらほら。不安そうな顔しない!何も心配しないで大丈夫です。あなたには笑顔が一番お似合いなんだから!(そう言って、少し照れた表情で、片手でひょいっと、駅員さんの入っているボックスのようなところに身軽に飛び込んで、関係各所と連絡を取り合う、イケメンの駅員…)」

と、なるかと思いきや、

「あー、ははっ。品川は東京の次ですからね。まだ掲示板に表示されていないだけっすね。」

・・・。

と、駅員はやる気のなさそうな表情で、若干の苦笑いとともに、返答が返してきた。

「…あー。あーあー。あはは〜そうっすよね〜。停まらないわけないですよね…。はは…。失礼いたしました…。」

と蚊の泣くような声で礼を言った。
本当にわたしはしっかりしておらず、あわてんぼう将軍なのだ。あぁ恥ずかしや。

東海道新幹線への奇襲作戦はあっけなく失敗に終わり、返り討ちにあったあわてん坊将軍のわたしは、東北新幹線改札内にはないスタバを見つけ、すぐさまご機嫌となり、意気揚々と向かったのであった。

[ 新幹線とわたし。 ]オモシロ美人のよもやま話2016/06/17 22:56